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2023年12月05日

【FUJIYAMA HUNTER’S BEER】柚野の恵みを届ける、クラフトビール醸造所

/userfiles/images/columns/42180/00_アイキャッチ.jpg FUJIYAMA HUNTER’S BEER(フジヤマハンターズビール)は、富士宮市柚野(ゆの)地区にあるクラフトビールの醸造所。仕込みには富士山の伏流水を、さらに山椒や柚子、ハチミツなど、地元で採れる素材を使った滋味豊かなビールを作っています。

今回はFUJIYAMA HUNTER’S BEER代表の深澤さんにお話をうかがってきました。

富士宮の里山にある、クラフトビール醸造所「FUJIYAMA HUNTER’S BEER」

/userfiles/images/columns/42180/01_外観.jpg 富士宮市柚野地区に、クラフトビール醸造所・FUJIYAMA HUNTER’S BEERがオープンしたのは、2018年5月のこと。醸造所に併設されたテイスティングルームでは、週末になるとビールの試飲や量り売り、ボトル販売などを行なっています。

また同年11月には、富士山本宮浅間大社の西鳥居から徒歩約1分の場所に「浅間大社タップルーム」をオープン。常時7種類のクラフトビールと、ジビエや旬の野菜を使ったフードメニューを味わうことができます。

/userfiles/images/columns/42180/02.jpg FUJIYAMA HUNTER’S BEER代表の深澤さん

代表であり農家、そして猟師でもある深澤道男(ふかさわみちお)さんは、柚野生まれ、柚野育ち。
FUJIYAMA HUNTER’S BEERの設立は、家庭用の手作りビールキットを使用した「仲間と楽しむためのお酒作り」がきっかけだったそう。

自分の手でビールを作り出すことに魅力を感じた深澤さんは、自身の畑で、原料である大麦の栽培を開始。その後2018年の酒税法改正を機にビールの製造免許を取得し、醸造所の立ち上げに至りました。

/userfiles/images/columns/42180/03.jpg 富士宮産の米を使ったビール「NENGU-RICE IPA-」

2018年から2023年に掛けて作ってきたビールは、その数なんと約200種類。大麦や米、ホップなど、自分たちの手で作った農作物や、山に入って採ってきた自然の素材を使用しています。

「できることは、自分たちで」。設立当初から変わらない、FUJIYAMA HUNTER’S BEERにおける、ビール作りの理念です。

「なんでもないけど、なんでもある」。自然に寄り添ったビール作り

/userfiles/images/columns/42180/04.jpg 富士山を背景に農作業を行う、醸造家の宮脇さん

自分たちの手で作ったもの、採ったものをビールに落とし込むFUJIYAMA HUNTER’S BEER。醸造所で働くスタッフの皆さんは、それぞれが田んぼを持ち、米の自給を行なっています。

/userfiles/images/columns/42180/05.jpg ホップはアサ科でツル性の植物

ビール作りにおいて絶対不可欠の存在であるホップも、自分たちの手で育てています。摘みたてのホップからは、爽やかな香りが弾けます。

畑からグラスに注がれるまで、一貫して人の手で送り出されるFUJIYAMA HUNTER’S BEERのビール。気候や環境の影響を受ける「自然のもの」は、その年によって味わいも異なりますが、深澤さんは「変化も楽しんでほしい」と話します。

/userfiles/images/columns/42180/6_狩猟_提供.jpg 画像提供:FUJIYAMA HUNTER’S BEER

猟師でもある深澤さんは、15年ほど前に狩猟免許を取得して以来、野生の鹿やイノシシなど、年間約50頭を捕らえています。秋の晴天時には鹿笛を吹いて発情期の雄を狙い、翌日が雨予報の場合は前日のうちに罠を仕掛けに山へ。

/userfiles/images/columns/42180/7_ジビエ商品_提供.jpg 画像提供:FUJIYAMA HUNTER’S BEER

捕獲されたジビエは提携の許認可施設で解体、加工され、タップルームやテイスティングルームで提供。柚野の山に生きる命を、私たちもいただくことができるのです。

自由な発想が楽しい。柚野の「旬」を味わうビール

/userfiles/images/columns/42180/08.jpg FUJIYAMA HUNTER’S BEERの定番「里山ビール」は、現在4種類。

○富士宮産のお米と柚子を使ったライスセゾンセッションIPA「YABUSAME」(写真左)
○富士宮産のお米を使用したライスIPA「NENGU-RICE IPA-」(写真中央)
○間伐材のヒノキを使用した木こりのエール「YOKI-HINOKI ALE-」(写真右)
○ブルワリー周辺の里山で採集したクロモジを使ったクロモジセゾン「森のたね」(写真なし)

定番ビールのほか、旬の素材を使ったビールを年間40種類ほど作り出しています。ビールのほかにも、どぶろくや発泡酒などが数量限定で登場することも。一年を通して、さまざまなストーリーを持ったお酒に出会えることは、楽しみのひとつです。

/userfiles/images/columns/42180/09.jpg 秋から冬にかけて、柚野地区のいたるところでたわわな実をつける柚子も、ビールの原料に。柚野で自生している山椒やクロモジも、実際に山に分け入り、自分たちの手で収穫したものを使用しています。

/userfiles/images/columns/42180/10.jpg 醸造所のすぐ近くに置かれた巣箱では、柚野に生息する野生のニホンミツバチたちの営みが繰り広げられていました。

/userfiles/images/columns/42180/11_どぶろく_提供.jpg 画像提供:FUJIYAMA HUNTER’S BEER

2023年には市の補助金を利用し、自家製ハチミツを使ってミード「養蜂家のどぶろく」を醸造。国内流通量が0.1%以下という貴重な「百花蜜」を使用したどぶろくは、タップルーム限定で販売されたレアなお酒。出合えた方は、ラッキーでしたね。
※ミードは微量の麦芽を使うため、酒税法上は「発泡酒」に分類されます。

柚野の自然とともに生き、原来あるものをベースにビールを作り出すFUJIYAMA HUNTER’S BEER。一杯のビールに込められたメッセージを、五感を通して受けとってくださいね。

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