2023年12月05日
【FUJIYAMA HUNTER’S BEER】柚野の恵みを届ける、クラフトビール醸造所

今回はFUJIYAMA HUNTER’S BEER代表の深澤さんにお話をうかがってきました。
富士宮の里山にある、クラフトビール醸造所「FUJIYAMA HUNTER’S BEER」

また同年11月には、富士山本宮浅間大社の西鳥居から徒歩約1分の場所に「浅間大社タップルーム」をオープン。常時7種類のクラフトビールと、ジビエや旬の野菜を使ったフードメニューを味わうことができます。

代表であり農家、そして猟師でもある深澤道男(ふかさわみちお)さんは、柚野生まれ、柚野育ち。
FUJIYAMA HUNTER’S BEERの設立は、家庭用の手作りビールキットを使用した「仲間と楽しむためのお酒作り」がきっかけだったそう。
自分の手でビールを作り出すことに魅力を感じた深澤さんは、自身の畑で、原料である大麦の栽培を開始。その後2018年の酒税法改正を機にビールの製造免許を取得し、醸造所の立ち上げに至りました。

2018年から2023年に掛けて作ってきたビールは、その数なんと約200種類。大麦や米、ホップなど、自分たちの手で作った農作物や、山に入って採ってきた自然の素材を使用しています。
「できることは、自分たちで」。設立当初から変わらない、FUJIYAMA HUNTER’S BEERにおける、ビール作りの理念です。
「なんでもないけど、なんでもある」。自然に寄り添ったビール作り

自分たちの手で作ったもの、採ったものをビールに落とし込むFUJIYAMA HUNTER’S BEER。醸造所で働くスタッフの皆さんは、それぞれが田んぼを持ち、米の自給を行なっています。

ビール作りにおいて絶対不可欠の存在であるホップも、自分たちの手で育てています。摘みたてのホップからは、爽やかな香りが弾けます。
畑からグラスに注がれるまで、一貫して人の手で送り出されるFUJIYAMA HUNTER’S BEERのビール。気候や環境の影響を受ける「自然のもの」は、その年によって味わいも異なりますが、深澤さんは「変化も楽しんでほしい」と話します。

猟師でもある深澤さんは、15年ほど前に狩猟免許を取得して以来、野生の鹿やイノシシなど、年間約50頭を捕らえています。秋の晴天時には鹿笛を吹いて発情期の雄を狙い、翌日が雨予報の場合は前日のうちに罠を仕掛けに山へ。

捕獲されたジビエは提携の許認可施設で解体、加工され、タップルームやテイスティングルームで提供。柚野の山に生きる命を、私たちもいただくことができるのです。
自由な発想が楽しい。柚野の「旬」を味わうビール

○富士宮産のお米と柚子を使ったライスセゾンセッションIPA「YABUSAME」(写真左)
○富士宮産のお米を使用したライスIPA「NENGU-RICE IPA-」(写真中央)
○間伐材のヒノキを使用した木こりのエール「YOKI-HINOKI ALE-」(写真右)
○ブルワリー周辺の里山で採集したクロモジを使ったクロモジセゾン「森のたね」(写真なし)
定番ビールのほか、旬の素材を使ったビールを年間40種類ほど作り出しています。ビールのほかにも、どぶろくや発泡酒などが数量限定で登場することも。一年を通して、さまざまなストーリーを持ったお酒に出会えることは、楽しみのひとつです。



2023年には市の補助金を利用し、自家製ハチミツを使ってミード「養蜂家のどぶろく」を醸造。国内流通量が0.1%以下という貴重な「百花蜜」を使用したどぶろくは、タップルーム限定で販売されたレアなお酒。出合えた方は、ラッキーでしたね。
※ミードは微量の麦芽を使うため、酒税法上は「発泡酒」に分類されます。
柚野の自然とともに生き、原来あるものをベースにビールを作り出すFUJIYAMA HUNTER’S BEER。一杯のビールに込められたメッセージを、五感を通して受けとってくださいね。